最速で読者を増やす方法とは? - 1記事で1万人増えた記事制作の裏側を公開 -
theLetter ストーリーは、theLetter 上で活躍する書き手の方々に、メディア運営方法や活用の理由などを深掘りする公式ニュースレターのコーナーです。
徹底的に調べた医療情報を、丁寧かつユーモアを交えて解説をする産婦人科医・やっきー先生は、theLetterで「産婦人科医やっきーの全力解説」を運営しています。今回は「つい読者登録したくなる」ニュースレターづくりの裏側をお伺いしました!

ブログのPV頭打ちをきっかけにニュースレターを開始
産婦人科医として働きながら、2022年の春にブログを始めました。もともと漫画が好きなこともあり、産婦人科医の視点から漫画の描写を考察する記事を中心に続けてきたのですが、だんだんと漫画とは関係のない医学の話やただのネタ記事のようなものも多くなっていきました。
全体として少し混沌としてきて、アクセスも収益も、なんとなく頭打ちになっていたんですよね。最大で月間10万PVを記録したこともありましたが、その後は5〜10万PVのあいだを行ったり来たり。もともとトレンドに乗るタイプではなく、自分の書きたいことを書いてきたのでSEOに頼らない記事は伸びづらく、それが少しもどかしくもありました。とはいえ、SEOに振り切るのも自分の理想からは外れているな、と。
丁度その頃に、運営の方から声をかけていただいてtheLetterのことを知りました。調べてみると、小児科医のふらいと先生や産婦人科医の重見先生、ウイルス学者のAmamino Kurousagi先生といった信頼できる専門家の方々が発信されていて、「私もやってみようかな」と思ったんです。
Xでの発信で医学に重点を置いた解説の反応が良かったこともあり、「しっかりと医学に特化した記事を書いていく場所を作ろう」と考えていた時期だったので、theLetterでの執筆はまさにぴったりの新しい挑戦になりました。
そうして、医学に特化した解説はニュースレター、漫画の解説はブログ、それ以外のどちらでも扱いにくいものやネタ記事はnote、という棲み分けで落ち着きました。「これを書くためにこの媒体がある」というふうに整理できたことは、結果的にそれぞれの読者を増やすことにつながったと思いますね。おかげさまで、ニュースレターは開始10ヶ月で読者数は2万人になりました。
開始前の準備の肝は「概要ページ」と「スタイル」
ニュースレターを始める際に、書き手は「概要ページ」を準備します。概要ページはニュースレターの説明ページであり、多くの読者の方にとって一番最初に書き手を知る場所です。
私の概要ページは、運営の方などから「気合が入っている」「つい登録したくなる」と言われることが多いのですが、実際、3〜4日かけて作り込みました。でも、そのくらい本気でやらないと、読まれない。私は「本気で書いた1本の記事」が「そこそこの10本」よりずっと強いと思っています。
これはブログを2年間やってきた経験から強く実感していることでもあるんですけど、やっぱり適当に書いたものって伝わらないんですよ。もちろん、たまにラッキーパンチ的に当たることもあるけれど、基本的には本気で書いたものしか反応が返ってこない。SNSでもブログでも、そこは一緒です。
ニュースレターを始める前の話なんですが、もともとXで匿名質問サービス「マシュマロ」を使って、フォロワーの皆さんからの質問にこれ以上ないくらいに丁寧に掘り下げて全力で回答していました。多分、全医師の中でもトップクラスに真剣に。ユーモアも可能な限り、練り込みます。この手法を確立してからというもの、Xのフォロワー数も急激に伸びました。こういった「真剣に書いたものは評価される」という体験こそが、ニュースレターの運営にも活きたと思いますね。
私の一番の強みは、「おもろい話ができる医者」であること。産婦人科という専門性を軸に、でも固くなりすぎず、思わずクスッと笑ってしまうような切り口で伝える。そのスタイルは、絶対にブラさないようにしています。内容はもちろんのこと、読者の方は「書き手についている」と言っても過言ではないので、そのキャラクターやスタイルを明確に印象に残すことは重要です。
読者が1万人増えた記事の裏側
このグラフは、私がニュースレターを始めてからの読者数とサポートメンバーの推移を表したものです。

パッとみて特徴的なのは、開始3ヶ月目の7月から8月にかけての7,000人近くの読者数の増加。この反響を作ったのは間違いなく8月に配信した「男女の産み分けってできるの?」という記事です。PVは約7万まで伸びました。
実はポイントのひとつは、配信前にあります。もともとXに寄せられるDMやマシュマロなどの質問で「男女の産み分けができるかどうか解説してほしい」という要望は多かったので、「この記事はバズるかもな」という予測はしていました。そこで、「次回は、産み分けに関する記事を書こうと思っています」とXで告知したところ、登録者数が3,000〜4,000人ほど増えたんです。「読みたい方は今のうちに登録してくださいね」と添えたのですが、この時点で正直、私の想像以上の反響となりました。
ここまで期待が膨らむと、生半可な記事を書くわけにはいかないので、大急ぎで文献の精査を開始しました。1990年代に書かれた眉唾な産み分け指南本なども急いで取り寄せて、「ここで登録者様の期待を外した記事を書いたら終わる。今の自分にできる最高の記事を書こう」と決めました。その結果、記事を書く前に登録者数が増えただけでなく、書いた後もたくさん拡散されたので、あの1本だけで合計1万人くらいは増えたんじゃないかと思います。それくらい、注目が集まりましたね。
ここから分かることは、本文を書いていなくても「この人の書く内容なら読みたい」という人への信頼に「どうしても読みたいテーマ」が重なると大きな期待値が生まれるということです。
産み分けの記事は、ニュースレターを始めてから12本目の投稿でした。今振り返ると、最初の頃はそんなに時間も労力もかけていなくて、言うなれば “試運転” のようなもの。でも、この産み分け記事に関しては、「全力で書ききる」と決めて、かなり気合を入れて取り組んだんです。
テーマに対する読者の関心も高かったし、1万2,000字かけて内容もかなり充実させ、尚且つ自分のモチベーションもMAXだった。いろんなタイミングが重なって、爆発的に読まれた1本になりました。
もうひとつ、12月にも棒グラフがぐんと上がっているかと思います。ここでも読者が数千人単位で増えました。そのときに出したのが、「妊娠中の食べ物NGリスト徹底検証」という記事。これは今でもとても多くの人に読まれていて、全体の中で2番目にアクセス数が多い記事です。こちらもPV数は6万を超えています。
結果的に、この2本の記事をきっかけに、読者が1万5,000人以上増えたんじゃないでしょうか。「ここからレターがもう一段上に行ったな」とはっきり実感できた、印象深いタイミングでした。
ちなみに、この2本はいずれも「読者限定記事」として出しています。私のニュースレターは、タイアップ系以外は全て「読者限定記事」か「サポートメンバー限定記事」にしています。「誰でも」公開にしていないぶん、「登録してでも読みたい」と思ってもらえたのが大きかったのかもしれません。適切に制限をかけることは登録のきっかけになるのでうまく活用したいですね。
ここまでで分かる通り、爆発的に読者数を増やすためには「テーマの選定」や「読者の気持ちの醸成」はかなり重要です。後編ではそんな話を事例を交えながら具体的に解説していきます。
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