「ベストな文字数」は何文字? 課金テキストメディア・人気ニュースレターをもとに調査!
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今回は、ニュースレターをはじめとする「課金テキストメディア」における「ベストな文字数」について、海外トレンドやプロ・専門家の集まるtheLetterで人気ニュースレターの書き手の考え方について調査してみました。
"ニュースレター先進国"での「ベストな文字数」は?
Substack、Beehiiv、ConvertKit など、多くのニュースレタープラットフォームが誕生したアメリカは、ジャーナリストや作家、専門家が個人でニュースレターを発行し、その収益で生計を立てる「ソロ・クリエイター文化」が浸透している“ニュースレター先進国”です。
そんなアメリカのニュースレター検索エンジン「Reletter(リレター)」の調査によると、Substackをはじめとする120万件以上のニュースレターのデータを分析した結果、次のような傾向が明らかになりました。
We discovered that top newsletters have an average length of 871 words, which is nearly double the calculated figure of 451 words for all newsletters.上位のニュースレターの平均語数は871 語であることがわかりました。これは、すべてのニュースレターの計算値である451 語のほぼ 2 倍です。
英語を日本語換算する場合は、一般的に2〜3倍と考えられているので、2,500字程度と言えそうです。また、上位のニュースレターは全てのニュースレターと比較し、文字数が2倍であることもわかっています。

引用:How Long Should Your Newsletter Be to Get 100K+ Subscribers? / Reletter 2023
カテゴリ別に見ると、全体平均となる2,500字より多い文字数となるのが、「Crypto(暗号資産)」「Climate & Environment(気候・環境)」「Technology(テクノロジー)」「Science(科学)」「International(国際情勢)」でした。一番文字数の多かった「International(国際情勢)」は、3,000〜4,000字程度です。
ここから、「Comics(漫画)」や「Food & Drink(食べ物・飲み物)」といった趣味コンテンツに比べ、より専門的なジャンルは長文である傾向と言えるでしょう。参考までに、2025年5月現在 読者38万人を超え、Substack上でもっとも成功しているニュースレターの一つと言われるエコノミストのNoah Smith氏が発行する「Noahpinion」は、約4,000〜6,000字(2,000語)です。
theLetterで活躍する書き手が考える「ベストな文字数」は?
さらに、thteLetterで活躍する人気ニュースレターの書き手の皆さんに「文字数」と「なぜその分量にしたのか」をインタビューしてきました。
ニュースレターにおける適切な文字数を考えるヒントは、「カテゴリの持つ特性」「読者との関係性」「求められいる内容の濃度」「読むシーン」「書き手の継続性」にありそうです。
「ふらいと先生のニュースレター」(カテゴリ:医療)ふらいと先生
テーマを最優先しつつも文字数も意識しており、概ね5,000〜6,000字を目安に書いています。医療の場合は参考文献で文字数が必要になるので、5,000字の場合、そのうち1,000字は参考文献です。文字数が十分にあることで、読者に「情報量が担保されている」という安心感を与えられ、それが信頼やサブスクリプションの継続にもつながると考えています。
「産婦人科医やっきーの全力解説」(カテゴリ:医療)やっきー先生
基本的に文字数はあまり気にせず、書きたいことを全て盛り込んでいますので、結果として自然と1万字は越えてきてしまいますね。他の配信者の方々に比べると突出して長文であるため、なるべく軽快に読める工夫は凝らしています。ただ、2万字を超えると読者がついてこない感覚がありますので、上限はそのくらいでしょうか。一方で、記事そのものにも一定の“カロリー”が必要です。メールアドレスという一種の個人情報を預かる以上、それに見合う読みごたえは必要と考え、しっかり読ませる内容を意識しています。
「産婦人科医・重見大介の本音ニュースレター」(カテゴリ:医療)重見大介さん
5,000〜6,000字を目安にしています。一般的なブログとの差別化やエビデンスやその解釈を丁寧に伝えるにはこの程度の分量が必要。一方で、頻度は限定的であるものの、1万字超の本格的な解説や忙しい読者に向けた3,000字前後の軽めの記事、ショート動画による「ながら解説」も取り入れ、内容の届け方にバリエーションを持たせています。
「医療記者、岩永直子のニュースレター」(カテゴリ:医療)岩永直子さん
5,000文字前後を目安にしています。医療問題を深く掘り下げる内容のため、一般的なニュース記事(3,000〜4,000字)より長くなる傾向があります。内容が多くなる場合は、7,000字を上限に分割して配信する工夫もしています。一問一答形式を多く取り入れており、自然と文字数が増えるため、小見出しやグラフ、写真などで区切りを入れ、読者が負担なく読める構成を心がけています。
「スワローズが好きだ! ~いつも、気づけば神宮に~」(カテゴリ:スポーツ)長谷川晶一さん
商業媒体では、1記事3,000字程度が最適だと考え、小見出し3つで1,000字ずつ構成する形式を採用してきました。PVの反応も良く、読者としても読みやすい分量だと感じていました。しかし、ニュースレターではサポートメンバーとの距離が近いので同じ形式は合わないと実感。手紙のような文体で親しみを持ってもらうことを意識すると、2,000〜2,500字がちょうどよく感じられます。適切な文字数は媒体や読者との関係性によって変わると考えています。
「Tech Growth letter」(カテゴリ:ビジネス)もやしさん
文字数はあまり厳密に決めていませんが、ちゃんと書こうとすると自然と5,000字くらいになります。2章構成だと物足りなくて、4章くらいでしっかり書くと1章あたり1,000字は必要なので、結果的にそのくらいに。以前2万字を書いたこともありましたが、継続しづらいと感じました。無理なく深掘りできて、自分にも読者にも心地よいのが5,000字前後かなと思っています。
「まむし「みんなの編集会議」」(カテゴリ:ビジネス)まむしさん
月曜朝の通勤時間や仕事始めに気軽に読めるシーンを想定して、「メールを開いた勢いで無理なく読了できるボリューム」を意識して書いています。2,000〜3,000字を目安にしていますが、読者アンケートで「多い」との声もあり、もっと短くても良いかもしれません。継続的に発信するうえでも、今のくらいが自分にとって無理なく書き続けられるちょうどいい文字数です。
「青山ゆみこのレター」(カテゴリ:社会)青山ゆみこさん
紙媒体のコラムやエッセイだと、例えば1200字程度だとページを捲らずに一気に読める。というふうに、「読む」の身体感覚をいつも意識します。Webで、指がスクロールして「つい」読んでしまう、その「つい」が3000〜4000字くらいというのが、わたし自身が読み手としての感覚です。Web記事だと「早く最後まで読んで、論旨を理解しなきゃ」と思うけど、theLetterはメールボックスに届く手紙みたいな感覚だから、「つい読んでしまう3000字」の、倍の6000字というボリュームでも、わけて読んだり、長さそのものも楽しんでもらえる。短い手紙、ちょっと長めの手紙。どちらもありますよね。ある程度の文字数がないと語れない話もある。「書く自分の気分」も要素として、文字数に反映して届けて、受け取ってもらっている気がします。
「STEAM NEWS」(カテゴリ:教育)金谷一朗(いち)さん
メールで読みやすい6,000〜7,000字を目安にしています。読了率の計測では3,000〜4,000字が読みやすいボリュームとわかりましたが、コア読者向けにやや多めに設定。開始当初は1万字前後でしたが、現在は本編約7,000字、残りをサポートメンバー向け別冊として配信しています。本編は完結型で、別冊は寄付のお礼として好評です。
「拝啓、読書家様」(カテゴリ:文化)Akaneさん
日曜の夜におすすめの本の紹介を配信をしており、リラックスしながら5分程度で読んでもらうイメージで3,000字を目安に書いています。読書家の読者が多いので、アンケートではもっと文字数が多くても楽しんでいただけそうでしたが、ネタバレにならず、実際に本を読んだ時の楽しさの余白も作りたいのでこれくらいの分量がちょうど良さそうです。
さて、この記事は4,000字程度ですが、情報量や読みやすさはいかがでしたか? 似ているカテゴリの書き手の方を参考に、自分らしくチューニングしていくのもいいですね!
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