突き抜けた「好き」で読者と案件を増やす、「ニーズ<興味」のニュースレター運営方法
theLetter ストーリーは、theLetter 上で活躍する書き手の方々に、メディア運営方法や活用の理由などを深掘りする公式ニュースレターのコーナーです。
上場インターネット企業の鋭い分析が人気のもやしさんは、theLetterで「Tech Growth letter」を運営しています。今回は、もやしさんがtheLetterを始めてよかったことや、「好き」を突き詰めて多くの読者登録や媒体提携などに繋がった運営方法についてお話を伺いしました。

ニュースレター開始のきっかけは、"SNSノリ"優先の発信に対する違和感
新卒でコンサルティング会社に入社し、現在はスタートアップで働いています。前職では調査案件を多く担当していて、その経験もあり、仕事とは別に企業IR資料を読んだり、「この会社はどんなビジネスをしているんだろう?」と調べたりするのが好きで、面白いと思ったことをSNSで発信していたところ、興味を持ってフォローしてくださる方が増えていきました。
ただ、SNSでは情報の中身よりもキャッチーな投稿に注目が集まる側面があり、自分の発信もあんまり本質的でないものの拡散されやすいトピックに引っ張られていく感覚がありました。でも、本来は企業のことをじっくり調べるのが好きで、「この会社のこと、まだちゃんと理解できていないな」と思うことも多かったんです。そういう気持ちがあるなかで、SNSで求められる「わかりやすさ」や「ノリ」に寄せて発信している自分に、少しずつ違和感を持つようになりました。
そういった背景から「ちゃんと作り込んだコンテンツとして出してみたい」と思っていたタイミングにお声がけいただいたのもあって、theLetterでニュースレターの配信を始めることにしました。
「収益になる」だけじゃない、ニュースレターを始めて"想定外"のよかったこと
今、配信をはじめてから1年ほど経ちますが、theLetterをはじめてよかったことは、思ったより多岐に渡ります。
まず、読者の信頼とそれに応じて収益が積み上がっていくこと。もともとは、正直、お小遣い程度でも収益があれば嬉しいな、くらいの気持ちだったのですが、今ではニュースレターだけで生活できるくらいにはなっています。
サポートメンバー数が積み上がっているので月々の固定収益となることはもちろん、最近はSmartNews+やITmediaといった媒体での記事配信や、記事広告のお声がけなど多くの仕事の機会にも恵まれました。

個人でこういった媒体との提携は難しいですし、記事広告の営業ハードルも高いものです。でも、しっかりと質の高い記事を書き続けていることで、様々な仕事の機会にもつながっていくのが、プロ・専門家に特化したtheLetterと他の執筆プラットフォームが大きく異なる部分じゃないでしょうか。
収益が増えれば、その分、ニュースレターにかけられる時間も増えます。得たお金で本を買って知識を深めたり、個別株を買って実地で学んだり、将来的には「仕事を辞めても書き続けられるかもしれない」という安心感にもつながる。今の仕事も好きなので辞めるつもりはないですが、そういう選択肢があるだけで精神的にもすごく楽になりますよね。
だから、theLetterがプラットフォームとして記事あたり単価や書き手のリターンが積み上がるようなモデルを目指してくれているのは、書き手としてとても心強いことですし、一般的なプラットフォームと利用者という関係性から一歩進んだ、伴走者のような存在に感じています。
収益以外では、ニュースレターをきっかけに、お会いしたかった方々から「話しませんか?」と声をかけていただく機会が増えたのも大きな変化と言えます。特にVCの方や投資家の方など、自分の興味に近い人たちと自然につながれるのはすごく嬉しいですね。
でも、何よりもまず、書くのが楽しくて!これが一番です。熱量が高い読者の方が集まると聞いていましたが、想像以上でした。ニュースレターの開封率も高く、だいたい50〜60%程。迷惑メールに入りにくいような工夫もプラットフォーム側でしてくれてるので助かります。「こんなに読んでもらえてるんだ」と実感できますし、数字で手応えが見えるのもやる気につながりますよね。
突き抜けた「好き」で読者と案件を増やす
読者のニーズと自分の興味のバランスは、ニュースレターの書き手によって異なるところですが、私の場合は今のところ、完全に「自分が書きたいもの」を優先しています。もしかしたら、珍しいスタイルかもしれません。
たしかに、「企業分析」というテーマで考えれば、リクルートやエムスリー、DMMといった有名企業を取り上げたほうが読まれやすい。検索にも引っかかりやすく、より多くの人に届きやすいでしょう。 それでも、あえて「まだあまり知られていないけれど、面白い企業」を選んで記事にしています。
なぜかというと、有名企業については、大手メディアがすでにたくさん取り上げていて、私が書かなくても情報は届くからです。一方で、あまり目立たないけれど独自の魅力を持つ企業は、なかなかスポットライトが当たらない。そんな素晴らしい企業さんを掘り起こして紹介する方が性に合ってると感じています。
記事のテーマ選びもまた、かなり直感的です。「お金のために」や「やらなきゃいけないから」ではなかなか動けないタイプなので、普段から企業を調べるなかで、自然と「もっと調べたい、書きたい」と思った企業さんを選んでいます。ただし、深く考察できることが前提なので、自分から距離のある業界の企業については無理をして書かないようにしています。
2024年6月に、タイミーについて分析をした記事を書きました。テーマに選んだ理由は、話題の企業だったからというよりは、これも「メルカリやリクルートがいる中で、どうやって勝つんだろう?」という素朴な疑問がはじまりでした。
結果的には、ちょうどIPO直後だったこともあり、多くの人に読んでもらうことができ、読者数も1ヶ月で1000人以上増加しました。これはテクニック寄りの話ですが、上場や決算発表のタイミングに合わせると、反響が大きくなる印象ですね。
読者目線で言えば、ニーズを無視しているように映る部分もあるかもしれません。それでも、「こんな企業があったんだ」「面白い!」と思ってもらえたら嬉しいですし、実際にそんな感想も多くいただきます。それはつまり、私のニュースレターでは、「欲しい情報を教えてくれる」よりも、「知らなかった情報を発見できる」ことに価値を感じてくださっているのだと思います。
今では、「調べて、書いて、届ける」というニュースレターの流れが自然と暮らしの一部になりましたが、最初は手探りの連続でした。次回は、そんなゼロからのスタートを経て、どのように1年かけて読者を増やしていったのか、その過程を振り返ってみたいと思います。
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