「イベント機能」から広がる、読者と収益増加のサイクル
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今回は、新たに追加された「イベント機能」についてご紹介。イベントを通じて、読者との距離を縮め、新たな読者の獲得にもつなげているノンフィクションライター・長谷川晶一さんにお話を伺いました。
長谷川さんが運営する「スワローズが好きだ! ~いつも、気づけば神宮に~」では、イベントが大盛況。その背景には、丁寧な準備や運営の工夫がありました。開催前の取り組みから実施後に見えた課題まで、リアルな経験をもとに、これからイベント機能を活用したい方に役立つヒントをお届けします。

ニュースレターの再始動時に注目した「イベント機能」
編集者としての勤務を経て、2003年に「ドキュメンタリーやノンフィクションを書きたい」という思いから独立しました。
執筆を続けるなかで、自分がヤクルトファンであることが編集者や出版社の間で徐々に知られるようになり、「その熱量をもっと出した方が読者に伝わるのでは」と言われるように。それをきっかけにヤクルト関連の書籍を出版したり、「文春野球」でヤクルト担当ライターを務めたりするようになり、次第にヤクルトスワローズに関する仕事が増えていきました。
theLetterを始めたのは、2022年。しかし、当時は、ニュースレターという仕組みや魅力をうまくつかみきれず、始めてはみたものの更新が止まってしまいました。原稿を書いて対価をいただくという生活を20年近く続けてきた自分にとって、無料で文章を出すというスタイルがなかなか馴染めなかったんです。
一方で、登録してくださった1,500人もの読者の方に何も発信できないままでいることが心に引っかかっていたため、再び声をかけていただいたタイミングで有料購読を前提に方針を見直し、再スタートを切ることにしました。
その際に注目したのが、theLetter上でオンラインイベントを開催できる「イベント機能」でした
theLetterのイベント機能では、読者に向けてオンラインイベントを配信できます。設定もシンプルで直感的に使いやすく、開催告知や直前のリマインドが自動で読者に通知されるのも便利です。
サポートメンバーを増やすために魅力的な企画を考えたとき、一人では限界があると感じ、信頼できるゲストと一緒にトークイベントを行う構想を立てました。最初は手探りでしたが、theLetterでは運営の方が手厚くサポートしてくれます。イベント当日の司会進行だけでなく、事前の内容や価格の相談にも乗っていただき、とても心強かったです。
イベントで「読者と近い」場をつくる
イベントでは、取材の現場で感じる“場”の面白さを、読者にも伝えたいと思っていました。メディアには載らない深い話や、本音がふとこぼれる瞬間の空気感を、できるだけそのまま届けたいと考えたんです。
初回のイベント「開幕直前 川崎憲次郎さんと語る「頑張れ髙津監督!!」」は、「開幕前のタイミングでやろう」と決めていました。盛り上がりやすい時期ですし、お招きするゲストの方のスケジュールとも合いやすい。
ありがたいことに、これまでの取材を通して良い関係性を持たせていただいている方々が何人もいたので、その中から川崎憲次郎さん(元スワローズ投手)にお声がけをし、快く引き受けていただきました。ゲストにご参加いただくことでシェアも広がり、集客にもつながります。実際、自身のSNSとニュースレターでの告知だけで十分でした。
イベント機能では、参加対象者を選ぶことができますが、このイベントは「サポートメンバー限定」にしました。理由は2つあります。ひとつは、サポートメンバーを増やすための導線とするため。もうひとつは、有料で支えてくださっている方々を大切にしたかったからです。
私は普段、広く多くの人に向けた文章を書く仕事をしています。けれど、このニュースレターでは「狭く、深く」つながることを大切にしたいと感じていました。もしかしたら「内輪向けの場」と捉えられるかもしれませんが、必ずしも悪いことではありません。むしろ、イベントはニュースレターという熱量の高いコミュニティと非常に相性が良いと感じています。
信頼できる読者の方々と、安心して深い話ができる場。それが、私がイベントで目指した空間でした。
「熱量」と「安心」が両立するイベント設計の工夫
イベント当日は、ゲストとのトークを「公開インタビュー」として位置づけました。私にとってインタビューは、単なる質問のやりとりではなく、取材者と話し手の共同作業です。少し突っ込んだ質問を投げかけることもできるのは、お互いの信頼関係があってこそです。
この共同作業の現場を、読者の方に見てもらいたい。それがイベントの出発点でしたが、実際にやってみると、リアルタイムでコメント欄に感想や質問を投稿してくださる読者の方も多く、まるで皆さんがその共同作業の一員になってくださったような感覚がありました。
初回のイベントでは質問を拾いきれなかった反省から、2回目では事前に質問を募集するスタイルに変えました。すると、話の流れも作りやすくなり、双方向のコミュニケーションがより活性化しました。チャット欄も荒れることなく、安心してやりとりができたのは、サポートメンバーとの信頼関係が築けていたからだと感じています。これは熱量の高い読者が集まるtheLetterならではです。
さらに、2回目のイベント「みんな大好き、石川雅規!!」では、1回目のイベント開催時には実装されていなかった「単発でのイベント課金機能」を試してみました。これは、定期購読ではなくても、単発でイベント参加費を支払えばイベントに参加できるという仕組みです。

イベント機能では単発の有料イベントにも設定可能 | theLetter
この機能はとても良かったと思っています。ニュースレターそのものには関心がなくても、イベントだけには参加したいという方は実は多いと思うのです。無理に定期購読していただくより、そうした方にも開かれた選択肢があるのは、参加者にとっても僕にとっても幸せなことです。
もちろん、既存のサポートメンバーよりも条件が良くなっては本末転倒ですので、この時は、読者ではない単発参加の方は1,500円、サポートメンバーは最低600円でご案内しました。イベント単体で参加した方の中から「次回は定期購読してみようかな」と思ってくださる方もいらっしゃるかもしれません。
イベントをきっかけに読者と収益が増える
イベントには毎回ゲストをお招きしていますが、謝礼は必ずお支払いしています。個人ニュースレターであっても、これまで関係を築いてきた方に「無料でお願いします」とは言えません。現時点では採算度外視ですが、それは「宣伝広告費」というより、読者の方への還元、そしてお祭りのようなものとして捉えるようになってきました。
もちろん、イベント単体で収益を上げる設計も可能だと思います。ただ私の場合は、イベントをきっかけにサポートメンバーが増えることで、ニュースレター全体の収益が底上げされていると感じています。増えた読者にまたイベントを案内できるので、回を重ねるごとに盛り上がっていくサイクルができそうです。
これからイベント機能を活用したいと考えている方には、とにかくやってみることをおすすめします。最初は配信トラブルが起きたり、単発参加の方への告知の工夫が必要だったりと、試行錯誤の連続でした。もちろん準備は大変ですが、リアルタイムで届く読者の反応は何よりの励みになりますし、信頼関係が深まっていく感覚があります。
イベントは単に盛り上がるだけではなく、日々の文章とはまた違ったかたちで、読者と深くつながることができる貴重な場。イベント機能は、そんな場づくりを支えてくれる心強い仕組みです。これからも積極的に活用していきたいですし、今後の機能アップデートも楽しみにしています。
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