「すぐ使える情報」以外は課金されにくいのか?

有料メディア運営に対する theLetter の考えを書きました。
theLetter運営 2023.05.31
誰でも

theLetter 運営の濱本です。

インターネットのメディア環境は日々悪化しているように思えます。大手ネットメディアがニュース部門を閉鎖したり統廃合を行ったりを見聞きする一方で、良いニュースはあまり耳に入ってきません。

法人組織によって運営されるメディア、個人やスモールチームによって運営されるメディアの双方とも、広告モデルだけでなく、サブスクリプションによる収益化も真剣に検討している状況です。

我々はサブスクリプションについて日々取り組んでいるため、書き手ユーザーや他社メディアの運営者などから、「すぐ使える情報」じゃないと課金されませんよね?とご質問いただくことがよくあります。

つまり「これ読めば儲かるよ」「これ読めばモテるようになるよ」「今日から使える仕事術を教えるよ」などの情報以外は、読者が課金しないのではないか?という懸念です。

今回はそのことについて theLetter 公式ニュースレターで執筆したいと思います。

theLetter 公式ニュースレターの受信はこちらから。

なぜ「すぐ使える情報」以外の課金は難しいのか?

theLetter は今のところサブスクリプションに特化しています。

サブスクリプションは月額制であるため、お金を払う読者の方々は記事一本に対して対価を支払うわけではありません。一本一本の記事ではなく、書き手が運営するニュースレターメディアから提供されるサービス全般に対して「月額が見合う」と考える読者が、課金を開始します。

記事の単品売りに比べてサブスクリプションは、運営する側にとっても課金する側にとっても気軽な手段ではありません。

しかし我々は「すぐ使える情報」以外の情報発信・執筆活動で収益化するためにも、サブスクリプションに重点を置くことはとても重要なことだと考えています。

仮に theLetter が記事の単品売りを何より優先するプラットフォームであったならば、書き手は記事単体で金額に見合う直感的な対価をつくらなければなりません。収益をあげられるのは、丹念に取材・分析された重要な記事や公共性のある周知されるべき情報というよりは、今すぐ使えるノウハウ情報などのコンテンツに偏り、多様性あるコンテンツやメディアのインフラとなることは難しくなるのでは?と私たちは考えています。

「すぐ使える情報」は記事単体で直感的な費用対効果を伝えやすい一方で、それ以外のコンテンツをメインにするメディアは、メディアから提供するサービス全体で月額に見合う価値を設計する必要性が高いため、収益化の難易度は高くなります。

何にお金が払われるのか?

theLetter ではノウハウ情報などの「すぐ使える情報」ではない発信が主のメディアで、収益化が多く成功しています。

では、すぐ何かに使える情報以外に、読者はどんなことにならお金を支払うのでしょうか。

以下は theLetter の一部の書き手の方々に協力いただき、そのサポートメンバーの読者の皆様にお答えいただいた「課金理由」に関するアンケート結果です。「すぐ使える情報」以外のコンテンツが主な書き手の方々を中心にご協力いただきました。

サポートメンバーの「課金理由」に関するアンケート結果(小数点以下四捨五入) - theLetter

サポートメンバーの「課金理由」に関するアンケート結果(小数点以下四捨五入) - theLetter

「著者を継続支援したかったから」が過半数(56%)を占める結果となりました。無料の読者ユーザーの回答と最も大きく差分があった点もまさにこの回答項目でした。

では読者に媚びてでも熱狂的なファンをつくれる人、カリスマ的な側面がある人じゃないとダメなのでは?と思われるかもしれません。

そこからさらにヒアリングをさせていただくと、継続支援したい理由としては個人的に親密になるためではなく、このような質の高い執筆活動を同じペースで続けてもらえるように対価を支払いたい、といった理由がほとんどでした。

「すぐ使える情報」が主ではないメディアに関しては、意義ある執筆活動の継続支援という意味合いで、対価の多くが支払われていることを私たちは発見しました。

theLetter の提案する「価格自由サブスク」

このような個人やスモールチームのサブスクリプションについて日々リサーチやヒアリングをしている中で、もう一点発見できたことがあります。

それは、読者が課金するかどうかにおいて、エンゲージメントの高さ(どれだけそのメディアを必要としているか?気に入っているか?を定量化した数値)は関係するものの、本人が支払いたいと考えている「金額の大きさ」と「エンゲージメントの高さ」は、必ずしも正比例するわけではないということです。

いわばメディアが提供するサービスは多くの場合「無形商材」です。さらに独自性のあるメディアが提供するコンテンツはそこだけでしか得られないのものです。手に触れることができる有形商材と比べれば、人によって活用方法は大きく異なりやすいのも無形商材の特徴だと思います。

そのため適正価格を考えづらい側面があります。実際、読者ユーザーへのヒアリングでは、その方の経済状況やユースケース(勉強だと思っているのか、娯楽だと思っているのかなど)によって、同じメディアに対し、読者ユーザーによって支払いたいと思う金額がかなり異なるという調査結果になりました。

また上述の通り、「著者を継続支援したかったから」が大きな課金理由となるため、他の読者ユーザーに比べて高いお金で支払うことに、抵抗や損を感じられる方が極端に少なかったことも驚きでした。

そこで theLetter は読者が最低価格以上で自由な金額でサブスクできる「価格自由サブスク」機能の提供を開始しました。

サブスク金額を読者ユーザー自身で決めるというチャレンジングな機能です。

こちらの機能を提供開始した書き手ユーザーの 100% が収益増加につながり、中には短期間で収益やサポートメンバー数が倍増するなど、メディアの継続的な運営に大きく寄与することができました。

読者ユーザーはより納得感を持ってサービスを利用でき、書き手ユーザーは定価を決めたことによる機会損失や自身へのプレッシャーを軽減できる可能性があり、執筆により集中できる製品に一歩前進したのではないかと考えています。

こちらの機能はまだまだ継続して実験的に開発されており、事前相談を承っております。もしご希望の方は theLetter をまだご利用でない方も対象に、お打ち合わせによるご説明・ご相談など行っておりますのでよろしければ下記のフォームからぜひお気軽にご応募ください。

引き続き、利用者の皆さんと theLetter の改善をすすめてまいります。

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