theLetterのエクスポート機能への考え方
theLetter 代表の濱本です。
「theLetter で書いた記事はエクスポートできますか?」
「なぜ theLetter は読者のリストをエクスポートすることを許可しているのでしょうか?御社にとって不利ではないのでしょうか?」
こういったご質問をよくいただきます。サービスの開始時だけでなく、現在でもよくいただくご質問です。
theLetter では現在、エクスポート機能として、読者リストと配信した記事について、それぞれいつでも管理画面からエクスポートでき、theLetter から持ち出すことが可能です。読者リストについては正式版リリース前からご用意しており、記事のエクスポートは当時 ~ つい最近まで、サポート経由で手動対応しておりました。
サービス開始当初からエクスポート機能を実装した理由
早い段階からエクスポート機能を実装してきたことには理由があります。
発信者であるクリエイターや書き手が、自身の顧客リストや作品・コンテンツにオーナーシップを持てて、それらをコントロールできることは、自然なことだと考えています。
しかし、とくに日本のクリエイター向けツールには、こうしたクリエイターコントロールの課題が、海外のツールよりも大きいように思えました。
theLetter を始める前にヒアリングさせていただいたあるプロのライターさんは、様々なブログサイトやニュースサイトで自分の文章をアップロードする際に、必ず他のエディタツールを使うようにしているとおっしゃってました。サービス都合でデータを消されてしまったら困る、利用ツールを移行する際はどうしようもなくなる、といった不安があるからということでした。わざわざ他のエディタツールで文章を書いて、配信先のブログツールのエディタに貼り付けているそうです。
また、あるサービスでオーディエンスをせっかく集めたのに、きちんとした理由説明もなくアカウントを凍結され、また 0 からのスタートになった経験のある方も何名かいらっしゃいました。
私たちは煩雑なことを簡単にするような「メディアインフラ」を目指しています。しかし、利用者の方がそういった「サービスへの依存性」に対して心理的な不安を抱えたままでは、とてもインフラにはなれないと感じ、エクスポート機能を正式版のリリース前に準備することに決めた、という経緯が当時ありました。
読者のリストや記事をエクスポートできることは theLetter の運営にとって不利?
エクスポートできますよ、ということをお伝えすると、theLetter にとって不利になるのでは?と心配してくださる書き手の方もいらっしゃいます。心配していただけるのは大変ありがたいことです。
しかし結局のところ、我々 theLetter 運営にできることは、サービスを良くしていくことだけです。エクスポートをできなくして、利用者のコントロールを奪い、theLetter から抜けることをできるだけ防ぐ、というのは本質的ではありません。
それに、創業メンバーである私濱本と荻田は二人とも、モノづくりが好きなソフトウェアエンジニア出身で、モノづくりには多くのデータやバックアップ、オーナーシップ、自由度が必要であることをよく体感してきました。
theLetter はまだまだ実装できていない機能も多く、自由度が高い、とは言えない状況ですが、我々運営メンバーはそういうことを大事にしています。データを含むあらゆるリソースを共有することで、クリエイターや書き手の方々がより面白いメディアを作るためのご支援ができると信じています。
現在、SNS やクリエイターツールはかなり分散しており、1 つのサービスだけに依存する、という状況は稀でしょう。
theLetter は書き手が独立した自身のニュースレターメディアを立ち上げられ、theLetter のブランドを介さず直接読者とつながることができるサービスです。
そうしたポジションを想定するからこそ、その時その時に流行するコミュニティサービスと併用でき、安心して長期的に使える。そんなサービスにしていけるよう、サービスの運営を続けていきたいと思います。
theLetter はエクスポート機能がありますが、まだまだつくるべき機能が山のようにあります。
引き続き、利用者の皆さんとプロダクトづくりをご一緒できればと思います。
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