方向転換で有料読者が倍増!読者ニーズの捉え方 | theLetter ストーリー #6 YSの為替羅針盤
theLetter ストーリーは、theLetter 上で活躍する書き手の方々に、ニュースレターの配信方法や活用の理由などを深堀りして共有する theLetter 公式ニュースレターのコーナーです。
6 回目の theLetter ストーリーでは、『YSの為替羅針盤』を運営されている YS さんにインタビューしました。
YSの為替羅針盤 - theLetter
サマリー
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他の人の発信をよく観察して、差別化を考える
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自分の本当に得意なことを発信する
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コンテンツだけでなく、コンテンツから始まるコミュニティづくりをする
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ニュースレターを始めた経緯
もともと SNS などで発信をはじめた理由は、銀行に就職したもののそれだけだと知識が足りないことに気づいたからです。職場では、銀行の商品を売るノウハウは教えてくれますが、なぜそういう仕組みになってるか?なぜその商品が優れているのか?という背景や仕組みは一切教わることはありませんでした。
顧客から「なんで為替って動くの?」という質問をいただいたとき、為替商品を取り扱っているのは自分なのに、全く答えられなかったのです。自分はそれが恥ずかしくて仕方なかったのですが、会社の人に同じ質問をしても答えられない人ばかりでした。それどころか「そんなこと知って何の得になるの?」と言われたこともありました。笑
そこで、仕事以外のプラスアルファの何か、インプットやアウトプットする仕組みを自分の中に持っておくことが重要だという価値観が出来上がりました。最初、新聞や雑誌を読んでみたものの、難しくてわからなかったので、SNS で情報収集するようになりました。
為替が一応職種としては専門だったので、FX のトレード日記みたいな感じで SNS に投稿するようになりました。いろんな方と仲良くさせてもらってフォロワーが増えるに連れ、今度は人が学べるような内容を、自分からいろんなことを発信してみようって感じで、投稿の仕方が変わっていきました。
あるとき「安倍元首相の退任ニュースによって、なぜ円が買われるのか?」という解説ツイートだけで、3 日間のうちに 2 万人フォロワーが増えました。トレーダーからしたら知ってて当然のことなのですが、なぜそうなるのか?というところまでロジカルに説明できる人が少ないので、あれだけ広がったのだと思います。
この質問がクソ来てます。一人ずつ対応できないんで、久しぶりに一緒に勉強しようシリーズ行きますか!
難しい言葉一切抜きにして
なるほどー!を提供します!お時間ある人はお付き合いください!それではいこう!!
ニュースレターもその延長で、今自分が興味を持って勉強していることを整理するつもりで、為替だけでなく米国株のことやもっとマクロなことまで雑多に発信していました。
離れる読者、その原因とは?
ニュースレターを始めたタイミングは、新型コロナウイルスのパンデミックによって投資家人口が爆発的に増えていた頃です。当時、米国株を買えばなんでも株価が上がるような相場でした。その相場に合わせて「ちょっと投資に興味あるんだけど」という人が自分のフォロワーさんにも増えていました。
ただ、投資初心者向けのわかりやすい情報はまだまだ少なくて。ある程度詳しい人たちのコミュニティはたくさんありましたが、初心者からすればまったく会話についていけないし、自分も最初はそうだったので、投資初心者向けにフォーカスすることにしました。株式市場を取り巻くいろんなニュースを解説する記事を書いていました。
しばらくは順調だったのですが、有料読者数が目に見えて減り始めました。SNS や YouTube を見れば、初心者向けのコンテンツが溢れており、タイムラインを見れば明らかに多くの人が初心者の段階を突破して、少し高度な知識を要する会話をし始めていました。
明らかに需要と供給が合わなくなってきていることを、あらゆるシグナルから感じ取りました。自分が今書こうとしていることは、もう既に誰かの記事や動画で見たな、みたいな感じになってきていて、筆が進まなくなってきた、というのも一つのシグナルでした。
そこで「このままではダメだ」と思い、方向転換について考え始めました。
差別化のつくり方
まず、自分の発信物の差別化や優位性を考えるためには、他の人がどんな発信をしているのか?という市場感を理解することを自分は大切にしています。いろんな方の有料コミュニティやコンテンツなど、勉強させてもらいながら、日々インプットしています。分野が違ったとしても、とても参考になるのです。
そして、方向転換をなんとか考えるために、わざといろんな投稿を SNS にしてみました。
為替に関すること、株式に関すること、債券に関すること、プライベートに関することなど何種類かに分けて投稿しました。その結果、為替に特化した投稿への反応が、他と比べて明らかによかったのです。そこで自分は「為替に関することを発信してくれる人」という周りからのイメージがあるのだと気づきました。
そこで、元々為替のトレーダーからスタートしたこともあり、為替に特化することにしました。ニュースレターの名前も「YSの投資羅針盤」から「YSの為替羅針盤」に変更しました。
そもそも為替については毎日インプットする習慣があって、あとはそれを記事に落としこむ、という感じです。日々の為替に関するニュースの解説をして、為替の動きが少ない日はちょっとした小話も交える、という感じで記事の構成を考えました。
有料版ではほぼ毎日配信で、日々の微妙な為替の変化を中心に書いています。週末は、今ドルから円に替えるべきなのか、円からドルに替えるべきなのか、みたいなその部分だけを知れればいいという読者さん向けに無料版のニュースレターを配信しています。
私より為替に詳しい方はたくさんいると思います。今、ドル円が上昇している、というのは誰でも分かる。しかし、なぜ上昇してるか?という部分を知りたいとき、「チャート的にこうだからです」と説明できる方は多いですが、皆さんが知りたいのってそういうことじゃないと思っていて、もっと社会の動きに紐づけて解説して欲しい、と少なくとも自分は思うんです。
そして、そういう根本的なところから為替が動く理由を解説する、ということを発信している方はほとんどいなかった。だから「YSの為替羅針盤」は、自分が欲しかったニュースレターでもあるんです。
毎日配信はかなり負荷もかかりますし、自分自身のトレードも公開するということもあり、月額 ¥500 → ¥1,000 に引き上げました。有料読者さんが一気に減るかなと思っていたのですが、ありがたいことに結果は 2 倍以上の有料読者数になりました。
コンテンツだけでなく「コミュニティ」に価値をつくる
YSの為替羅針盤の有料版では、日々の為替情報を伝える有料ニュースレターだけでなく、読者限定のチャットコミュニティを Discord で運営していて、時間単位でトレード進捗を伝えたり、質問にお答えしたりしています。
最近は私が一方的に話すだけでなく、読者さん同士で意見交換していたり、読者さんのトレード進捗が流れてきてたり、面白い場になってきています。
コミュニティでは、実際に自分のトレードを見せて、どういう反応になるか試しています。記事はだんだん、皆さんの知識や経験がついてきたり、他の方が似た記事を出すようになると、有料読者で居続けてもらうのは難しいだろうなと考えています。
そのため、優位性として「この人はどんなトレードをその瞬間にするか?」というのをお見せするということを考えました。そこは唯一無二の価値があるんじゃないかなと。
まだまだ課題もありますが、続ける中で変わっていく付加価値の形を考え続けることが、今後とても楽しみです。
最初自分は記事さえまともに書けなくて、執筆が嫌いでした。でも続けていくうちに早く書けるようになってきたし、これまで SNS などでいただく質問を 1,500 件くらい答えてきました。それも振り返れば、文章を書いたり、コミュニティで受ける質問に答えるための良い練習になっていました。今までやってきたことは何も無駄じゃなかったな、と思うので、数字が伸びなくてもニュースレターを工夫しながら継続してみることをオススメします。
今回インタビューにご協力いただいた『YSの為替羅針盤』はこちら。
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